小説「サークル○サークル」01-364. 「加速」

シンゴはべろべろに酔ったアスカを寝室に運ぶと、ソファに腰をかけ、テレビを観ていた。夜中のハイテンションなバラエティ番組はシンゴの重たい気持ちをほんの少し軽くしてくれる。
けれど、シンゴはテレビを観ながらも、アスカのことを考えていた。
漸く、ターゲットからアスカが離れたと思っていたのに、また接触をするという。ターゲットはアスカの提示する条件を飲むだろうか。アスカ自体を求めてきたりはしないだろうか。考えれば考えるほど、嫌な考えが脳裏を過っては消えていった。
そう言えば……とシンゴはユウキのことを思い出す。ユウキはどうしているのだろう。アスカがこんなに苦戦をしていられているということは、ユウキはレナとターゲットを別れさせることに成功していないということだ。
シンゴは自分がどう立ち回るべきか、アスカになんとアドバイスするべきかを悩んでいた。
ターゲットは強敵だ。いろんな女を相手にしてきて、女には慣れているし、自分がどうすれば、良いかを考えられるだけの頭の良さも持ち合わせているのは明らかだった。

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