小説「サークル○サークル」01-170. 「加速」

「でも、どうすればいいんだろう……?」
「それ相応の理由があればいいと思う。オフィスビルの社員だと怪しいから、自営業ってことにすればいいんじゃないかな」
「要するに、今の私のまんまってこと?」
「そういうこと。だけど、そのカフェに通う理由が必要になってくるんだよな……」
 シンゴは腕を組み、思考を巡らせる。オフィスビルのOL設定が使えなくなった以上、もっとしっくりくる設定を考える必要がある。いかに矛盾のない設定にするかが、ポイントだった。
「そうだな……。近くに何か習い事出来るような場所はない?」
「ちょっと待って。今、地図見るから」
 アスカはスマートフォンを取り出すと、地図のアプリをタッチした。すぐに住所を入力し、周りに何があるかを調べ始める。
「オフィス街だから、周りは会社ばっかり……。あとは飲み屋が並んでて……。あっ……」
「何かあった?」
「ジムがあった」
「それだ!」
「えっ……?」
 きょとんとしているアスカにシンゴは自信満々に言った。
「ジムに通えばいいんだよ」

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