小説「サークル○サークル」01-175. 「加速」
- 2012年10月18日
- 小説「サークル○サークル」
- サークル○サークル
食事を終えた後、アスカは身支度をして、仕事へと出掛けた。帰りにそのままジムの入会申し込みをしてくるそうだ。
シンゴはパソコンの前に座り、電源を入れ、立ち上げる。アスカが帰ってくるまでに、設定を作り直す為だ。
いつも通り、文章を作成していく。
大方、設定が出来上がったところで、ふとターゲットのことが過ぎった。
今、こうして、自分が設定を作っている間にも、アスカとターゲットは会っているのだろうか。そう思うだけで、シンゴの胸の奥は予想をはるかに超える痛みを訴えた。シンゴはこんなことを考えることにも慣れたと思っていたし、ある程度の諦めもついているような気でいた。
しかし、本当はそんなことはない。ただただアスカに自分だけを見ていてもらいたいのだ。
ふいにアスカが食事中に言った「なんだか、ちゃんとシンゴの顔を見ていなかった気がして」という言葉を思い出していた。
シンゴはアスカがどういう気持ちで言ったのかを考えて、溜め息をついた。
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