小説「サークル○サークル」01-361. 「加速」

「でも、私が探偵に監視されていて、私が彼女とターゲットを別れさせたってわかったとしても、普通、私に依頼しないんじゃない?」
「普通はね」
「依頼者が普通じゃないってこと?」
「君に依頼している時点で普通ではないと思うよ。彼女が君に依頼した考えられる理由は二つ。一つ目は君の別れさせ屋の能力を認めていて、この人なら確実に別れさせてくれるだろう、と思ったから。二つ目は、君に復讐したいから」
「復讐!?」
 シンゴの言葉にアスカは驚きのあまり大きな声を出す。思わず、アスカは自分の口を竜手で塞いだ。
「復讐ってどういうことよ」
「そのままの意味さ」
「でも、私に依頼している時点でなんの復讐にもなってないんじゃ……」
「そうかな? 君がこの依頼を失敗したら、報酬はどうなる?」
「もらえないわよ。こっちに過失がある場合は前払い金も返金することになってる」
「それって経営に響くと思わない?」
「そりゃ、響くけど……」
 シンゴの言葉にアスカは口をへの字に曲げた。

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