小説「サークル○サークル」01-392. 「加速」

シンゴが書斎に行き、メールを確認すると、担当編集者である元妻からメールが来ていた。
開封すると、“確認しました。大筋はいいと思います。詳細については、ゲラをお送りするのでご確認下さい”と書かれてあった。
大筋に問題がないということは、内容に関して大きな修正がないということだ。シンゴはほっと胸を撫で下ろす。
自分の書く作品にはいつだって、不安はつきものだ。
自分が面白いと思ったって、それを最初に読む編集者が面白いと感じるかどうかはわからない。ましてや、今回はプロットの提出もなかったのだから、尚更不安だった。
シンゴはメールの返信を終えると、伸びをした。椅子が軋む。
これで当分はゲラチェックに時間をかけることになるだろう。
アスカにも良い報告が出来ることにも、シンゴはほっとしていた。
さて、とシンゴは思う。
新作のプロットを書く為にシンゴは再びパソコンに向かった。
今度はどんな話にしようか、と思いを巡らせる。
純愛ものでもいいし、ミステリーでもいい。今なら、どんな話でも書ける気がした。

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