小説「サークル○サークル」01-401. 「加速」

「今日、あなたをお呼びしたのは、彼がレナさんと別れるにあたり、あなたと話をしたいとおっしゃったからなんです」
 アスカはヒサシとレナ、ユウキを交互に見ながら言った。
 レナは申し訳なさそうに俯いていたけれど、ヒサシは堂々とユウキを見据えていた。
 一体、ヒサシはユウキに何を言うつもりなのだろう、とアスカは不思議に思いながら続けた。
「知っているでしょうけど、レナさんはこちらにいるヒサシさんと不倫関係にあります。私はあなたの依頼によって、このお二人を別れさせることになりました。しかし、見ておわかりになるでしょうが、ヒサシさんはその事実をご存じです。そして、レナさんと別れるにあたり、あなたとお話されることを望まれました。あなたとお話をすれば、レナさんとは別れてくれるそうです」
 アスカは一息に話した。
 ユウキにはすでに依頼者の振りをしてもらえるように以前お願いはしている。
 あとはヒサシにバレないように依頼者の振りをしてもらえば丸く収まる。


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