こんにちは☆
Hayamiです。
本日、「サークル○サークル」128話が配信されました。
今日は祝日なんですね。
休日・祝日関係なく、めっちゃ働いております(笑)
お陰様でお仕事が9月末まで決まっており、もりもり書きまくっております。
こんなに書いてるの久しぶりです(笑)
そして、9月上旬に引っ越しを企てております(笑)
やっと気に入った物件が見つかりました!!
引っ越しの為にも頑張って書きまくらなきゃね!!
≪お知らせ≫
個人ブログ「Hayami’s FaKe SToRy」にて、
お仕事依頼・作品感想用メールアドレスを設置しております☆
アドレスはhayami1109@gmail.comです。
作品の感想等送っていただけますと幸いです。
メールは直接私のところまで届きます☆
≪番外編のお知らせ≫
番外編「ドライフルーツ・シンキング~マンゴーな過去に~」はもう読んでい
ただけたでしょうか?
作家のシンゴの視点で語られるアスカとのなれ初めや、
シンゴが考えていることを物書きとして描いている、というお話です。
全10回となっておりますので、ぜひこちらも併せてご覧下さい☆
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次回、129話もよろしくお願い致します☆
「どうして……」
「私がここで待っていることは予想済みだと思うけど」
「そんなこと……」
「まぁ、いいよ。こんなところで立ち話もなんたがら、飲み直しに行こう」
「でも……」
「でも? 拒否する理由があるとは思えないけど」
「十分あると思います」
「たとえば?」
「お互い既婚者です」
「やっぱり、そうだったんだ」
「えっ?」
ヒサシの言葉にアスカは間抜けな声を出す。
「君が既婚者かどうか、ホントは知らなかったんだ」
「それじゃあ、引っかけたってこと?」
「引っかけただなんて、人聞きが悪い。確かめただけだ」
ヒサシの言葉にアスカはあからさまに嫌そうな顔をすると、
「もう遅いんで、それじゃあ」
とその場を立ち去ろうとした。けれど、ヒサシがそれを許さない。ヒサシはアスカの腕をぎゅっと握ると、そのまま抱き寄せた。鼓動が一つ大きく跳ねる。アスカはそんな自分に嫌気がさした。
「抵抗しないんだね」
ヒサシの挑発するような言葉にアスカはその手を振りほどこうとする。
「離して下さい」
「どうして?」
「どうしてって、わからないんですか!?」
「もっと私を好きになってしまうから?」
ヒサシに言われ、アスカは自分の体温が急激に上がるのを感じていた。
ヒサシと不倫相手を別れさせる為の方法は、ヒサシにアプローチをかける以外にも用意している。そちらの方法を取ればいいだけ、とは思うものの、ヒサシへのアプローチが上手くいっている以上、別れさせ屋として、こちらの方法を優先すべきだという気持ちもあった。
「黙っているということは、イエスととってもいいのかな?」
ヒサシは眼鏡の奥のその大きな目でアスカを見上げた。
「それは……」
はっきりとノーとは言えない自分に苛立ちが募る。アスカはヒサシの視線を遮るように床に視線を落とした。
「今日は閉店まで?」
「……はい」
「ふーん……そっか」
ヒサシはそれきり何も言わなかった。アスカは不安を募らせながらも、どこか期待している自分に溜め息を零した。
バーでの仕事が終わり、アスカは裏口から出て、駅の方向へと歩き出す。タクシー乗り場へ向かう為だ。
「お疲れ様」
声がした方に視線を向けば、そこにはヒサシが立っていた。閉店からすでに三十分が経っていた。
「心にもないことは言わない方が身の為ですよ」
アスカは口からつい出た台詞にはっとする。これではまるでヒサシの妻がマキコであることを知っているみたいではないか。
「謙遜は良くないな。私は思ったまでを言っただけだよ」
ヒサシはいけしゃあしゃあと言い放つ。
「そうでしょうか。私にはお世辞にしか聞こえません」
アスカはぴしゃりと言う。しかし、ヒサシはアスカの視線に動揺する気配もない。
「お世辞なんて言わないよ。……今日の夜は空いてる?」
お互いが既婚者だとわかっていながら、堂々と誘ってくるあたり、ヒサシはアスカが思っている以上に女に慣れている。ここで引き下がるのは簡単だが、誘いに乗らなければ始まらない。別れさせ屋として状況を把握する為に、普段なら誘いに乗って、根掘り葉掘り情報を聞き出すけれど、今回は少し勝手が違った。アスカは確実にヒサシに思いを寄せている。この状況でヒサシの誘いに乗ってしまえば、ミイラ取りがミイラになる可能性は高い。誘いに乗る怖さがアスカを躊躇させていた。
すぐさま、ヒサシの言葉を否定しようと思ったが、ヒサシの確信に満ちた態度にアスカは否定するのをやめた。ここで余計なことを口にすれば、マキコから依頼されていることがバレる可能性がある。それよりも、ヒサシが握っている情報を全て聞き出す方が先だ。
「どうして、そうお思いに?」
「簡単なことさ。私と同じ匂いがする」
ヒサシの余裕の表情にアスカは言葉を思いつけずにいる。抽象的な言葉は肝心なことを何も示さない。アスカはヒサシが何を知っているのかを聞き出そうと思考を巡らしてはみるものの、有効な質問を思いつけなかった。
「どうしたの? 難しい顔をして、黙って。キレイな顔が台無しだよ」
嘘つき、とアスカは内心思う。自分が美人ではないことをアスカが一番知っている。過小評価ではない。事実として、アスカはそれを受け入れていた。ヒサシの妻であるマキコは美人だ。あれだけの美人を毎日見ていて、よく自分を美人と言えるな、とアスカはヒサシのしたたかさに嫌悪する。