小説「サークル○サークル」01-324. 「加速」
- 2013年08月18日
- 小説「サークル○サークル」
- サークル○サークル
「もう少し、様子を見て、彼に別れ話をしてみます。彼にも考える時間は必要ですよね」
レナはアスカの目をしっかりと見て言った。ここ数日でレナは見る見る逞しくなっている。別れを決めた女は強いということをアスカもわかっているつもりでいたけれど、なんだか嬉しくなった。
その後、アスカもレナも美味しい食事に舌鼓を打ち、他愛ない会話を楽しんだ。アスカは次が控えているので、飲み過ぎないように注意しながら、飲み進めていく。数時間が経った頃、アスカとレナは店を出ることにした。レナがトイレで席を立った時にアスカは会計を済ませておいた。それにしても、レナがなかなか帰ってこない。不安に思って、アスカは席を立ち、辺りを見回した。すると、幼馴染だと言っていた男に腕を掴まれ、何やら口論になっているようだった。
アスカはレナの元に駆け寄ろうかと考えたが、しばらく様子を見ることにした。
揉めている理由がわからなかったし、もし何かまずい状況になったら、店員がどうにかしてくれるだろう、と思ったからだった。