みなさん、こんにちは。
森野はにぃです。
本日、「ワンダー」131話が配信されました。
7月があとちょっとで終わっちゃうなんて、嘘だと言って……!
あまり毎日があっという間に過ぎていくので、
とても驚いています。
それだけ、毎日が充実してるって考えるといいよね!
学生さんたちはすでに夏休みなんだとか。
いいなーいいなー。
私にもそういう時があったのよね……。
今年も夏休みなく、働くことになりそうです。
そんなわけで、冬休みはゲットしたいなー、と思います☆
それでは、引き続き、「ワンダー」をお楽しみ下さい☆
「おかえり」
何食わぬ顔でシンゴは帰宅したアスカを出迎えた。
「こんな遅くまで起きてるなんてどうしたの? もう寝てると思ってたわ」
「仕事をしてたんだ」
「小説の?」
アスカは驚いたように言う。
「そうだよ。依頼が来たんだ」
「良かったじゃない。これでまた小説が書けるのね」
アスカは嬉しそうに微笑んだ。アスカのこんな顔を見られることは滅多にない。シンゴは心の底から嬉しかった。幸せな気持ちのまま、今日を終わろらせようかと思ったけれど、やはり気になってしまい、訊くことにした。
「最近、仕事はどうなの?」
「仕事? いつも通りよ」
「ターゲットとは接触出来てる?」
「それは勿論。お風呂入って来るわね。まだ起きてるなら、あとで一緒にビールでも飲みましょう」
「大丈夫なのかい? こんな遅くに飲んで」
「大丈夫よ。今日はそんなに飲んで来てないし。あなたの仕事の再開を祝いたい気分なの」
アスカはそう言って、風呂場へと消えていった。
ターゲットとの接触について、アスカは詳しく喋らなかった。それはシンゴを心配させまいとしているのか、それとも、やましい気持ちがあるからなのか。アスカに訊かなければわからないことだった。でも、シンゴに訊くことは出来ない。きっと両方なのだろう、とシンゴは思うことにした。
「サークル○サークル」を連載させていただいている私、Hayamiと
声優・池ヶ谷華菜子によるインターネットラジオ番組
「めぇぷる❤べりぃ」の第2回放送が本日より開始されました☆
この「めぇぷる べりぃ」とは、
駆け出しの作家と声優が皆様のお便りを元に発信する
インターネットラジオ番組です。
2回目の放送ということで、少しずつ慣れて来たかも!?
まだまだ不慣れな点もあるかと思いますが、
ぜひぜひ聴いてみて下さいね。
そして、ラジオ番組はお便りが命!
ということで、皆様どしどしお便りをお待ちしております!
お便りは「問い合わせフォーム」からお願い致します☆
シンゴはアスカにもヒサシにも気が付かれないように、自転車に乗ると、大急ぎで家へと戻った。
近道を最大限に活かして自転車を飛ばした。
アスカが駅まで歩く時間とタクシーで通れる道から導き出した時間を考慮すると、どうにかシンゴの方が早く家に着ける程度だった。
北風が吹く寒い夜なのに、帰ってきたら汗だくになっていたけれど、仕方がない。
こうでもしなければ、アスカの後をつけることは出来ないのだ。
シンゴがアスカを尾行しているのには、きちんとした理由があった。
小説を書く為だ。
小説を完成させる為にアスカがどんな風に仕事をしているのかを知りたかったのだ。しかし、無論、理由はそれだけではない。
アスカの素行が知りたかったのだ。尾行するなんて、お世辞にも褒められることではないことはシンゴだってわかっている。けれど、そこまでさせる程、シンゴは追い詰められていた。
アスカが浮気をするのではないか、と思う度にいつも憂鬱な気持ちがシンゴにのしかかっていた。その結果として、もやもやとする気持ちはお腹の底に滞留した。けれど、それをアスカにぶつけることは出来ない。かと言って、他の誰かに言うことも出来ない。
もやもやは溜まる一方で、出口を見つけられずに、シンゴは随分と苦しんだ。苦しんだ結果の尾行だった。
「そういうわけじゃ……」
「いい加減、素直になれよ」
そう言うと、ヒサシはアスカを抱き寄せた。突然の出来事にアスカは一瞬呼吸をするのを忘れた。
「……ずっとこうしたかった」
アスカはヒサシの言葉に胸の奥はぎゅっと鷲づかみにされたような錯覚に陥る。こんなセリフ、随分と聞いていない。少なくとも、シンゴはこんなことを言ってくれたことなどなかった。
「今日は一緒にいてくれるよね?」
ヒサシの言葉に頷こうとしたけれど、あと一歩のところでアスカは思い止まった。相手ターゲットだ。ここでアスカがヒサシと一晩を共にしてしまったら、契約不履行だ。
「それは出来ません」
「旦那に後ろめたいから?」
「……はい」
そういうわけじゃない、と思ったものの、それは口には出さなかった。
アスカはヒサシの腕から逃れると、ヒサシの方を一度も見ずにその場を去った。
――そして、その一部始終を見ている人影が一つ。
そっと胸を撫で下ろしていたのは、二人のやりとりをずっと見ていたシンゴだった。