小説「サークル○サークル」01-231. 「加速」
- 2013年02月13日
- 小説「サークル○サークル」
- サークル○サークル
「ねぇ、やっぱり、今日はイタリアンでもいいかしら?」
アスカの言葉にレナはきょとんとする。
「実は普段は混んでいて入れないイタリアンが、この時間帯なら入れるのを思い出したの。ここなら、いつでも来られるし、どう?」
ここでエスニック料理がいいと言われれば終わりだったが、アスカが強引にここを出ようとしたら怪しまれる。賭けに出るしか方法はなかった。
「イタリアンですかー!? 大好きです!!」
レナは目をキラキラさせて、アスカを見た。
「じゃあ、イタリアンに行きましょう」
アスカは逸る心を抑えて、エスニック料理店を出た。
レナに気付かれないように、アスカはほっと胸を撫で下ろす。
「こっちよ」
アスカは来たのとは反対方向に歩き出した。
イタリアン料理店はアスカの言う通り、席に空きがあり、すぐに通してもらえた。
「ここのピッツァは雑誌やテレビで紹介されるくらい有名なの」
「あっ、私も見たことあります! この前、お昼の番組で紹介されてました」
レナが嬉しそうに話すのを見て、アスカはここにして良かったと思った。