アスカは返事をして、マスターの元へと行く。何か小言を言われるのかと、憂鬱な表情を浮かべそうになるのを隠し、アスカは顔を上げた。
「あそこに座った男性のことなんだけど」
マスターはそう前置きをして、小声でアスカに説明し始める。
「連れてくる女性はほぼ毎回違うから、男性と仲良くなって喋ることがあっても、相手の女性のことにだけは触れないようにね」
「はい……」
アスカにとって、ある程度予想のつく話だったが、それでもそれなりの衝撃はあった。マキコは気が付いていないだけで、ヒサシの浮気相手は相当数いるようだ。
「ごめん、戻っていいよ」
マスターはそう言うと、カクテルを作り始める。アスカは再びヒサシたちの前にオーダーを取るために向かった。
「ご注文はお決まりでしょうか」
アスカの言葉に2人は顔を上げる。女の大きな目とアスカは目が合った。潤んだ二重の目には長い睫が規則的に並び、ヒサシを見る目は熱っぽい。明らかに上司と部下という関係ではないであろうことは、容易に想像がついた。
「決まった?」
ヒサシは女に顔を近付けて問う。そこまで近付く必要性なんてないだろう、とアスカは思いつつ、オーダーを待った。
みなさん、こんにちは。
森野はにぃです。
本日、22話が配信されました。
少しずつ、礼や藤堂先輩の秘密が明らかになっていく……と思います。
その秘密にはいくつか候補があるので、
今はどれにしようか悩み中です。
一気に話を別次元に飛ばしてしまうような気が、
今までの作品の傾向から考えるとあるんですよね……(苦笑)
次回配信日までに頑張って、考えたいと思います!
次回23話の配信もよろしくお願いします☆
こんにちは☆
Hayamiです。
本日、22話が配信されました!
きっとモテる男が靡かせてる女は、
1人ではないんだろうな、といつも思います。
都内で食事に行ってると「明らかに不倫でしょ」、
というようなカップルはどこでも当たり前のように見かけますし、
そんなに珍しいことでもないんですよね。
今までいろんな作品を書かせていただきましたが、
不倫を扱うのは初めてです。
私もドキドキしながら、書きたいと思います。
次回23話もぜひお付き合い下さいね☆
時間が深まるにつれて、客足が増え、店内も次第に騒がしくなっていた。
まだカイソウ ヒサシは来ないのね……。今日は空振りかしら、とアスカが溜め息をつきかけた頃、カイソウ ヒサシは、黒ストライプのスーツから伸びる細い足が印象的な若い女を連れて、店に入って来た。ヒサシは黒縁の眼鏡をかけ、スーツをぱりっと着こなし、どこからどう見ても出来る男然としている。これじゃあ、若い女の子がヒサシに靡いても仕方ないわね、とアスカは思いながら、ヒサシと若い女の前に水と温かいおしぼりを持って行った。
「いらっしゃいませ。おしぼりをどうぞ」
作り笑いを浮かべ、愛想良くアスカは振る舞う。ヒサシはちらりとアスカを見て、おしぼりを受け取ると、すぐさま、隣にいる若い女に視線を戻した。アスカはコースターを2人の前に置きながら、女の様子を窺う。茶色いセミロングの髪には優しくウェーブがかかっており、時折かき上げる髪から覗く耳には、上品なデザインのピアスがつけられている。外見を見る限り、マキコから聞いていたカフェの店員という雰囲気はなかった。
――まさか、別の女……?
アスカは眉間に皺を寄せ考え込む。すると、突然マスターに名前を呼ばれた。
みなさん、こんにちは。
森野はにぃです。
本日、21話が配信されました。
礼の意味深な発言と、それを否定する春。
自分の恋愛傾向って、BLに限らず、
人に指摘されて気が付くことってよくありますよね。
私も先日、昔からの友人に指摘されて、
自分の弱点に気が付きました(笑)
次回22話の配信もよろしくお願いします☆