小説「サークル○サークル」01-158. 「加速」
- 2012年09月14日
- 小説「サークル○サークル」
- サークル○サークル
キッチンで紅茶を淹れると、はちみつをたっぷりと入れる。身体が甘い物を欲しているんだな、と思い、いかに疲れが溜まっているかを痛感した。きっと慣れない料理なんかしているからだ。けれど、シンゴが仕事を頑張ってる今、家事をしないわけにはいかない。シンゴのやる気をそぐようなことだけはしたくなかった。
紅茶を飲みながら、これからの仕事の進め方を考える。まずはレナとどうやって接触するかだ。一番楽なのは、カフェにアルバイトとして入り、バイト仲間になってしまう方法だ。しかし、すでにバーで対面を果たしている以上、その方法は取れない。
他の方法は残り二つ。一つはカフェの常連となること。もう一つは別の場所でレナと接触することだ。
アスカはどちらの方法を取るか悩んだ。
レナの働いているカフェはオフィスビルの一階に入っている。そのカフェを利用する常連になるには、そのオフィスビルで働いていなければ怪しいし、バーで働いていた人間がそんな場所に突如現れればおかしいと思われるかもしれない。