こんにちは☆
Hayamiです。
本日、7話が配信されました!
煙草や自転車など、生活感のあるものを作中に登場させる時は、
いつもバランスを考えるのが大変です。
元喫煙者なので、煙草の件はいいとして、
自転車には乗らない(正しくは真っ直ぐ走るのが不可能に近い)ので、
自転車を乗るキャラクターにはちょっとした憧れがあります(笑)
アラサーの気持ちはアラサーにならないと、
わかんないもんよねー、なんてことも思ったり……。
次回は新キャラ登場です!
誰が出て来るのかお楽しみに!!
ぜひぜひ8話もお付き合い下さいね☆
「……」
ぴたりと彼女の独り言が止まる。それと同時に机から足を下ろすと、机の上にある煙草に手をやった。それはアスカの考えが行き詰まったことを意味していた。最後の1本を取り出すと、火をつける。アスカは思い切り肺に煙を吸い込むと、目を閉じた。
「やり方は1つじゃない……。だけど、どうすればいい?」
誰もいない事務所で誰かに問いかけるようにアスカは言う。無論、それは自分に対する問いかけにしか過ぎない。
あっという間に煙草は短くなり、アスカは仕方なく、灰皿に煙草を押しつけた。細く揺れる煙にアスカは溜め息をつく。煙草がなくなったのが、仕事終了の合図だった。彼女は帰り支度を済ませると、戸締りと火の元を確認し、電気を消して、事務所を後にした。彼女の自宅は事務所から自転車で10分程度のところにあるので、通勤は決まって自転車だった。雨の日も彼女は河童を着て、自転車で通勤する。健康の為、という建前はあったが、本当の理由は年齢を重ねるごとに少しずつ出っ張って来た下腹を引っ込める為だった。中年太りをするにはまだ早い、と思っていたが、20代も後半に差し掛かると、身体は正直なもので、10代とは違った動きをし始める。それから逃れるように、アスカは自転車通勤で気を紛らわせていた。しかし、残念ながら、彼女は効果をさほど感じられてはいなかった。