【お知らせ】「サークル○サークル」連載スタートしました!


はじめましての方も、お久しぶりの方も、こんにちは。

Hayamiです。

今日から、「サークル○サークル」という小説を

連載させていただくことになりました。

久々の連載ということで、不安もありますが、

読者の皆さんに楽しんでいただける作品を書いていきたいと思っています。

「サークル○サークル」は、デビューのきっかけになった

「あなたはあなたの、そのままに」(2009年)という朗読の脚本を執筆する際に、

候補作としてプロット(小説のあらすじや設定が書かれているもの)を

作成していた作品です。

この時、「サークル○サークル」は映像向き、ということで、

「あなたはあなたの、そのままに」に決定しました。

けれど、思い入れの強い作品だったこともあり、

2年間温め続け、いつか書きたい!と思っていたところ、、

今回、「女子の本棚~tiny chain~」で連載させていただけることになりました。

様々な人が登場する「サークル○サークル」は、

いろんな人の想いや考えが絡まり合っていく

エンターテインメント小説です。

ぜひぜひ、楽しんでいただけますと幸いです。

ブログも更新していきますので、よろしくお願い致します!

小説「サークル○サークル」01-1.「依頼」

「お願いがあるんです」
 女は事務所に入ってくるなり、そう言った。ここは別れさせ屋「エミリーポエム」ちんけなこの名前を考えたのは他でもないここの所長であるアスカだ。
 アスカは女に視線をやり、銜えていたタバコを口から放すと、煙を吐き出した。
「あなたは?」
「先日、お電話させいただいたカイソウ マキコと申します」
 女の名前を聞いて、アスカは目だけ天井に泳がせる。彼女が何かを思い出そうとする時の癖だった。
「あぁ、ご主人の不倫をやめさせたい、って言ってた?」
「そうです。主人とその不倫相手を別れさせたいんです!」
 マキコはぎゅっと手を握りしめ、吐き捨てるように言った。
「今、お茶を淹れますから、どうぞそちらにかけて下さい」
 アスカは至って事務的にマキコに言うと、短くなった煙草を灰皿に押しつけ、キッチンへと消えた。エミリーポエムは古びたビルの2階に位置する。キッチンも旧型で使い勝手は悪かったが、お湯が沸かせればいいと思っているアスカにとっては、別段問題はなかった。


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