「だから、泊まれない?」
ヒサシは眉間に軽く皺を寄せて訊いた。
「えぇ、残念だけど」
「そうか……」
ヒサシはあからさまにがっかりしたような態度を取る。こうして、女の同情を引いているのかもしれない。けれど、女の意思は固いようだった。
「ごめんなさい」
女はそう言って、千円札を1枚カウンターに置くと、店を後にした。
ヒサシは出て行く女の後ろ姿をぼんやり眺め、彼女が去ってしまった今も何も言わずにグラスを傾けている。アスカは一部始終を見届けると、別の客のオーダーを取りに行った。
バーの仕事が一段落して、アスカが岐路に着いたのは、夜中の2時を回った頃だった。シンゴがビーフシチューを作って待っていると言っていたことをアスカはふと思い出す。こんな時間にビーフシチューはさすがに胃に重たい。アスカは憂鬱な気分を抱えたまま、タクシーを拾うと乗り込んだ。
アスカはタクシーに乗り込み、行き先を告げる。窓の外を見遣ると、ネオンがチカチカと安っぽい明るさを放つのが気になった。タクシーから見える窓の外の景色は、呼吸するスピードよりも早く変わっていく。まるで、人の気持ちのようだな、とアスカは思った。
みなさん、こんにちは。
森野はにぃです。
本日、27話が配信されました。
メリークリスマス!
今日はクリスマス・イヴですね☆
皆さんはクリスマス・イヴいかがお過ごしでしょうか?
クリスマス・イヴも変わらず、読んでくださってありがとうございます!
28話から話が急に動き出します。
やっとここまで来られたかって感じで、
もりもり書いております。
次回28話の配信もよろしくお願いします☆
こんにちは☆
Hayamiです。
本日、27話が配信されました!
明日はクリスマス・イヴですね。
皆さんはどのように過ごされるのでしょうか?
イヴはお休みして、クリスマス当日はきっともりもりお仕事をしていると思います。
年末進行がありますからね(笑)
1人だけだと思っていた浮気相手が実は複数いる模様のヒサシ。
一体、彼は何人の女の子をはべらしているのでしょう?
そして、この女の子とは一夜を共にしてしまうのでしょうか?
次回28話はクリスマスの25日更新です☆
28話もぜひお付き合い下さいね☆
「信じていいの?」
女は大きな瞳を数回しばたたかせて、言った。
「あぁ。つまらない嘘なんてつかないよ」
ヒサシはいけしゃあしゃあと言い放つ。マキコは浮気相手と別れさせたいと言っていたけれど、こんな男、捨ててしまった方が残りの人生正解なのではないか、とアスカは思う。
「今日は泊まっていくだろう?」
ヒサシの言葉に女はグラスに視線を落とす。本心から迷っているのか、迷っている振りをしているのか、アスカには定かではないが、少なくとも断るという即決をしないのは確かなようだ。
「でも……」
女は困ったようにグラスについた水滴をいくつも指ですくった。ヒサシはそんな女の太腿から手をどけることなく、耳元に唇を近付ける。
それ以上先はホテルでやってよ、と思いながらも、アスカは観察を続けた。2人がどういう結論を出すのか、アスカには知る必要があったのだ。
「迷うことなんてないだろう?」
ヒサシは女の耳元から唇と、身体を離して言った。しかし、依然として、ヒサシの右手は女の豊満な太腿に置かれたままだ。女はヒサシの顔を見上げる。
「ううん。服が困るわ。明日も仕事だもの。同じ服を着て出勤なんて、はたしないと思わない?」
「スーツだろう? わからないよ」
「男の人にはわからないかもしれないけど、女同士の目って、とても厳しいものなのよ」
女はヒサシの瞳をしっかりと見据えて言った。
みなさん、こんにちは。
森野はにぃです。
本日、26話が配信されました。
旧校舎は木造のイメージです。
この旧校舎には一体何があるのか、
春を何が待っているのか、
実は2パターン考えていて、
どっちにしようかまだ少し悩んでいたりします。
いつでも選択肢は2つ以上あるので、
どちらがより面白い作品になるんだろう……と
頭を悩ませてしまうんですよね……。
次回はクリスマスイブ配信です!
楽しんでもらえるように頑張ります!
次回27話の配信もよろしくお願いします☆