「よし、これで完成っと」
アスカは独り言を言いながら、履歴書を眺める。
「あとはこれをcrashに持っていけば、終わりね」
彼女は下見に行った時に、crashで短期のアルバイトを募集していたのをしっかりと見ていたのだ。
「取り敢えず、洋服を着替えてこなきゃ」
アスカは溜め息混じりにそう言うと、自転車で自分の家へと向かった。
「あれ? 早かったね」
シンゴは洋服を着替えに戻ったアスカを見て、驚いたように言う。髪はボサボサで眠そうな目をしていた。きっと昼寝でもしていたに違いない。アスカはそんな夫の姿を見て、苛立ちを隠しきれなかった。内心舌打ちをし、彼女は夫の前を通り過ぎながら口を開いた。
「帰ってきたわけじゃないわ。着替えて、また出かけるの」
「そう。今日の夕飯は、ビーフシチューにするから、早く帰って来てね。アスカ、好きだろう?」
「今日は遅くなるかもしれないから、先に食べてて。私は帰ってきたら、温めて食べるから」
「そっか……」
困ったような顔をして、シンゴは俯く。けれど、アスカはそんなシンゴの表情などまるで見ていなかった。彼女は仕事のことで頭がいっぱいで、それどころではなかったのだ。
みなさん、こんにちは。
森野はにぃです。
本日、13話が配信されました。
文字数的なこともあり、
今回は全然お話が進んでないですね……。
ただトータルで読んでいただいた時に、
必要な情報なども出てきますので、
お話があまり進んでいないなー、
という時もぜひぜひお付き合いいただけますと幸いです!
14話の配信もよろしくお願いします☆
こんにちは☆
Hayamiです。
本日、13話が配信されました!
今回から「作戦」スタートです!
ホントは15話とか区切りの良い数字で章を変えたかったのですが、
上手くは行きませんでした……。
文字数的に区切りはいいんですけどね……。
悩ましいところです。
さて、アスカは作戦の為に履歴書に適当なことを書いてます。
私もアラサーですが、実際に年齢適当に書いていいって言われたら、
ホントの年齢書くのかな……なんてことを真剣に考えてしまいました。
多分、2歳くらい若く書いちゃうでしょうね(笑)
次回14話もぜひお付き合い下さいね☆
別れさせ屋は頭を使う仕事である。アスカはこの間、依頼のあった案件をどうやって解決に導くかということを、いつものように煙草をふかしながら考えていた。
「まずは身辺調査よね……」
ぽつりとつぶやいて、彼女は眉間に皺を寄せた。ヒサシの行きつけのバー「crash」で接触を図るところまでは、決めていた。バーの下見はすでに済んでいたけれど、突然、毎日バーに通い詰めるのも怪しい。今回はアスカの事務所から近い場所での調査になるので、そのうちアスカの身元がバレてしまうだろう。
そうなってくると、問題はどのように接触するか、だった。隣に座って誘うには、アスカの顔の造りは残念だったし、色気で落とそうにも出るとこも出ていない貧相な身体では、セクシーさの欠片もない。そうなれば、そこにいてもおかしくない必然性が必要となる。
「面倒だけど、しょうがないか」
アスカは煙草を灰皿に押しつけると、引き出しから履歴書を引っ張り出した。
彼女は適当な名前を記入し、学歴もそれっぽいものを書いた。年齢は少し若く記入する。ちょっとだけ見栄を張ってしまうのは、アラサー女の悲しい性だ。誰も咎めようがない。写真は以前の案件で履歴書を作成する必要があった時に撮ったものがあったので、それを丁寧に切り、貼りつけることにした。
みなさん、こんにちは。
森野はにぃです。
本日、12話が配信されました。
藤堂はちょっとしたキーキャラクターなので謎は多く、
どこか掴みどころのない感じですが、
身近にいたら気になってしまうタイプだろうなー、とついつい思ってしまいます。
わかりやすい男の人より、ちょっとわかんないくらいの方が興味を惹かれてしまうの
は、いつも不思議だなと思ってしまいます。
だって、わかりやすい人の方が付き合うの絶対的に楽じゃないですか(笑)
そんなことを考えながら書いている藤堂ですが、
結局なんで寝ているのかは、ちゃんと答えていないんですよね。
いずれ、その秘密も書いていきますので、ぜひぜひ今後ともよろしくお願いします☆
13話の配信も楽しみにしていて下さいね☆