ユウキが差し出したホットカフェオレを受け取ると、シンゴは「ありがとう」と微笑んだ。ユウキのちょっとした気遣いが最近荒んでいたシンゴの心に優しく沁みる。
ユウキは何も言わず、シンゴの隣に腰を下ろした。シンゴはふとユウキとこんな風に話すのは何回目だろう、と思った。そして、その疑問が特に意味をなさないことに気が付いて、考えるのをやめた。
シンゴはさっき買った菓子パンをレジ袋から取り出すと、パッケージを開ける。
「オレも食べようっと」
ユウキはレジ袋の中から、おにぎりを取り出した。
「今日は廃棄の時間じゃなかったんで、一番安いシーチキンマヨネーズにしちゃいました」
ユウキはそう言ってはにかむ。シンゴはユウキの無邪気さが羨ましかった。自分にはそんな無邪気さは存在しない。若かった頃を思い返してみても、そんな無邪気さは皆無だった。こういう屈託のない笑顔を向けられるタイプは人に愛される。それがどれだけ財産であるか、きっとユウキは気が付いていないのだろうな、とシンゴは思った。
みなさん、こんにちは。
森野はにぃです。
本日、「ワンダー」が配信されました。
今年も残り21日です☆
驚くくらいハイスピードで1年が過ぎ去っていきますよね。
これも年齢の所為かしら……(笑)
年末進行の為、物書きはこの時期、バタバタしてしまいますが、
それはお取引き様も一緒、ということで、
バタバタな大人が増える1ヶ月になるだろうなぁ、
と思っております(笑)
バタバタしながらも、忘年会やクリスマスなど、
楽しいことも盛りだくさん!
ということで、皆さんも年末を楽しんで下さいね!
それでは、引き続き、「ワンダー」をお楽しみ下さいませ☆
女子も大変ですよね…(/_<)
受験もお受験も数打ちゃ上達しますので、ぜひぜひ体当たりで頑張ってくださいまし♥
公園にはまばらに人がいる。昼時とあってか、ベンチに座って昼食をとる人の姿も見られた。シンゴは寒さをしのぐ為、ホットカフェオレの蓋を開けた。瞬間、コーヒーのかぐわしい香りが鼻先をつく。
口に運ぶとふんわりと珈琲の味が口の中に広がり、遅れて甘いミルクが口の中を支配した。
シンゴはユウキに尾行の話をするつもりだった。決行は何もなければ明日する。来られるのであれば来ればいいし、来られないなら、縁がなかったと思って、諦めてもらうつもりだった。
シンゴがカフェオレを飲み終えた頃、ユウキが走りながらやって来た。
「すみません! 遅くなりました」
ユウキは息を切らしながら、シンゴの元へとやって来る。ユウキの吐く息は白く、一瞬にして、ユウキの顔の周りを真っ白にした。
「そんなに焦らなくて良かったのに」
「でも、お待たせしていたんで……。あ、あと、これ、どうぞ」
そう言って、ユウキが差し出したのは、シンゴが買ったホットカフェオレだった。
「え……」
「もう飲み終わってるかな、と思って、買って来たんです」
ユウキはそう言って、無邪気な顔で笑った。