小説「サークル○サークル」01-261. 「加速」

シンゴは今日ユウキに話すべき内容を頭の中で組み立てる。そして、話していいものなのか、誘っていいものなのか、自問する。答えはすでに決まっていた。だから、シンゴはユウキを公園に誘ったのだ。けれど、その答えに自信が持てずにいた。
そんな時間を過ごしている間に、シンゴの見つめる地面に影が落ちた。ふと顔を上げると、そこにはユウキが立っていた。
「すみません。お待たせしました」
ユウキは少し息を切らしながら、シンゴを見た。
「いや、僕こそ、突然誘ってごめん」
シンゴの言葉を聞き終えると、ユウキは隣に腰を下ろした。
「もしかして、昼ご飯、食べるの待っててくれたんですか?」
「ああ、一緒に食べようと思って」
「ありがとうございます!」
ユウキはシンゴに笑顔を向けた。
シンゴはその笑顔を見て、ユウキを待っていて良かったな、と思う。
二人はほぼ同時にコンビニの袋の中からガサガサと、シンゴは菓子パンを、ユウキはおにぎりを取り出した。


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