小説「サークル○サークル」01-306. 「加速」

「あれ? 帰ってたの?」
しばらくすると、アスカがバスタオルで髪を拭きながら、リビングへとやって来た。
「うん、ただいま」
「あら、シンゴも飲んで来たのね」
「たまにはね」
「私も久々にいっぱい飲んじゃった。シンゴもお風呂入ってきたら?」
「ああ」
シンゴはアスカからの質問に簡単な相槌を打つことしか出来なかった。
取り敢えず、熱いシャワーを浴びて、考えようと思った。

「ねぇ、飲み直さない?」
シャワーを浴びて、リビングにやって来たシンゴにアスカは言った。
「明日、仕事なんじゃないの?」
「いいわよ、休むから」
「そんな……所長がそれでいいの?」
「いいの。むしろ、所長だからいいのよ。たまには休まなきゃ」
「それなら、付き合うよ」
「そうこなくっちゃ!」
アスカは嬉しそうに言うと、冷蔵庫からキンキンに冷えたビールを二本取り出した。
アスカはグラスにビールを注ぐと、ソファに座っているシンゴに手渡す。
「結構、飲んできたみたいだけど、飲んで大丈夫なの?」
シンゴは心配そうにアスカに訊いた。


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