こんにちは☆
Hayamiです。
本日、「サークル○サークル」が配信されました。
さて、今日で今年も終わりです。
あっという間ですね。
自分でもびっくりするくらい、
今年もあっという間に終わってしまいました。
今年は大変なことの方が多い1年だったなー……。
でも、出会えて良かった!と思える方にも
沢山出会えた1年でした。
連載も始まって、すでに1年が経ちましたが、
そろそろ、連載も終わりそうです。
新連載のお話もいただき、プロットも練り始めています。
来年も変わらず、ご拝読いただけますと幸いです。
今年もありがとうございました。
そして、来年も何卒宜しくお願い致します☆
来年も皆様にとって、素敵な1年になりますように!!
≪お知らせ≫
個人ブログ「Hayami’s FaKe SToRy」にて、
お仕事依頼・作品感想用メールアドレスを設置しております☆
アドレスはhayami1109@gmail.comです。
作品の感想等送っていただけますと幸いです。
メールは直接私のところまで届きます☆
≪番外編のお知らせ≫
番外編「ドライフルーツ・シンキング~マンゴーな過去に~」はもう読んでいただけた
でしょうか?
作家のシンゴの視点で語られるアスカとのなれ初めや、
シンゴが考えていることを物書きとして描いている、というお話です。
全10回となっておりますので、ぜひこちらも併せてご覧下さい☆
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次回もよろしくお願い致します☆
アスカが風呂に入り、シンゴはソファに座って、コーヒーを飲んでいた。
平静を保たなければ、と思えば思うほど、アスカの目を見られなくなっていく。そんな自分にシンゴは呆れかえっていた。自分はもう少ししっかりしていて、頼れる男だと思っていたのだ。
些細なことで動揺して、普通にしていられないなんて、中学生みたいだな、とシンゴは自嘲する。
コーヒーを飲み干すと、シンゴはマグカップをシンクへと持って行った。そのまま、マグカップを洗い、水切りかごに置くと、冷蔵庫を開けた。
朝帰りした妻に食事を作る為だった。浮気をされているとわかっていても、アスカに優しく接してしまう自分は本当にバカだと思う。浮気をされてよくわかったことだけれど、どうしようもないくらいアスカのことが好きなのだ。だから、仕方がないな、とも思った。
冷蔵庫から卵と生クリームを取り出すと、シンゴは手際良く、ボウルに卵を割り入れ、生クリームと岩塩を入れて、かき混ぜ始める。アスカの好きなスクランブルエッグを作ろうとしていた。
アスカが帰って来たのは、昼過ぎだった。
「ごめん、事務所で寝ちゃってて」
アスカは帰って来るなり言った。確かに洋服もそのままだし、入浴した形跡もない。特に他の男の香りがするということもなかった。
そこまで考えて、シンゴは自分の考えていることに苦笑しそうになる。そんなに気になるなら、本人に聞いてしまった方が早い。なのに、訊くことすら出来ないのだ。どれだけ、自分が臆病なのかを目の当たりにしている気がした。
「お風呂入る?」
「うん、入りたい」
「じゃあ、今沸かしてくるよ」
「ありがとう。シンゴはいつも優しいよね」
アスカは嬉しそうに言う。その言葉に他意はない。けれど、アスカの今の言葉にシンゴはささやかな引っ掛かりを覚えた。
“いつも”とは一体誰と比較しているのだろう。“いつも”は優しくない誰かと比べられているのだろうか、とシンゴは良くない方向へと考える。そんな考えを払拭するように、かぶりを振ると、シンゴはバスルームへと向かった。
シンゴはタイピングをしようとして、手を止めた。とてもじゃないが、書く気分になれなかったのだ。アスカが帰ってくるまでに、気持ちを落ち着けようと、シンゴはコーヒーを淹れに席を立つ。こんな時、煙草が吸えたら、どんなにいいだろう、と思った。
そして、アスカが煙草をふかしている姿を思い浮かべた。彼女は煙草がよく似合う。シンゴはアスカが煙草を吸っている姿が好きだった。自分にはない格好良さというものをアスカは持っている。それを見ているのが好きだった。だけど、その姿は今、遠くに行こうとしている。なのに、自分は尾行以外、何もしようとはしていない。そう思うと、自分が一体アスカとの関係をどうしたいのかがよくわからなくなってくる。
傷つくのが嫌だというなら、見なかった振りをしていればいい。けれど、それさえも出来ずに尾行なんてマネをしているのだ。そのくせ、あと一歩のところで踏み込めない自分がいる。そんな自分をシンゴは持て余していた。
「それじゃあ、また」
シンゴはそう言うと、立ち上がった。随分と長い時間、公園にいたのだと腰の痛みでわかる。シンゴはそれなりに若かったが仕事柄、腰痛持ちだった。長時間座ると、それに比例して背中になんとも言えない痛みが走った。
その日の夜、アスカは帰ってこなかった。無断外泊というやつだ。
今までもこういうことがなかったわけじゃない。彼女はよく事務所でうたた寝をして、そのまま、夜を明かしてしまうことがあった。けれど、それも今となっては、本当だったのか嘘だったのかは疑わしい。今回の浮気が初めての浮気とは限らないのだ。
シンゴは落ち着きなく、部屋を行ったり来たりしている。こんなことをするのは、漫画の世界だけだと思っていたが、そうでもないらしい。人間はそわそわするとじっとしていられない生き物のようだ。
シンゴは大きな溜め息をつくと、仕事用の椅子にどかっと腰を下ろす。画面は文字の入力を待っているかのように点滅していた。