プリモプリン、美味いです。


白金のプリモスィーツで『プリモプリン』を購入。超うまぁ~い。
さすが的場コージを堕としめただけのことはあるなー。

洋菓子って原材料の段階ではほとんど一緒だと思うんですが、どこであれほどの差が出るんですかね。
同じネタでも作家さんによって、まったくシナリオの読み応えが違うのと一緒ですね。指紋や、声紋なみに、確固たるものが存在するんですよね━いつかは、その域に辿り着きたいもんじゃ。

「サシアイ」11話

深夜2時、携帯電話が鳴った。
貴重な睡眠を妨げられ、俺は極めて不遜に応対した。
「……もしもし?」
槇村だった。いつもの穏やかな中にも冷徹さを感じさせる声音ではない。どこか怯えたような、不安で押し潰される寸前といった様子が伝わってくる。
「例の試飲会、今からやらない?」
「今から? 夜中の2時だぞ?」
「いや、悪い……。
 でも、たった今、珍しい酒が手に入ってさ……」
嫌な予感はした。それでも評論家の件を知って以来、多少の隔たりを感じていた俺は、槇村の申し出が嬉しかったのだ。
行くと返答してからの身支度、外出は、思い掛けずに早かった。

「悪いな、遅くに……」
そう言って玄関のドアを開けた槇村の顔に、俺は思わず息を飲んだ。
「酷い顔だな、大丈夫か?」
暗い顔色と目の淀み、お洒落な槇村には珍しいボサボサの髪━やつれたと表現しても差し支えのないレベルだ。普段は様相のいい男だけに余計に目立った。
苦笑した槇村は、俺の顔を指差した。
「人の事は言えないな。
 フラフラした足取りで今にも倒れそうに見えるよ」
それは意外な答えだった。
まったく気付いていなかったが、俺もこんな感じにやつれているのだろうか?
睡眠不足? アルコールの過剰摂取? 単位不足への不安? 槇村への嫉妬と焦燥? 様々な要素を羅列してみたが、目の前の槇村のやつれを形成するほどとは思えなかった。

小説「サークル○サークル」01-80. 「動揺」

 他愛ない会話が進んでいく。最近の天気予報が当たらないとか、日に日に寒さが増しているとか、見知らぬ誰かとでも交わせるような内容の話ばかりが続いていた。傍から見ていれば、和気藹々としているように見えるが、そんな状況にあってもアスカは物足りなさを感じてしまう。もっとヒサシのパーソナル部分が知りたい、もっと自分のことを知ってもらいたい、と彼女は思わずにいられなかった。けれど、そんなことは口が裂けても言えない。それは仕事としてヒサシに接触しているからなのか、それともただ単にヒサシに恋するあまり嫌われるのが怖くて言い出せないのか、アスカにもよくわかってはいなかったが、明らかにそういった感情は恋をしたから持つものだということを彼女は自覚していた。そんな自分に嫌気がさしたけれど、アスカはどうすることも出来ずにいた。
 そんな時だった。ヒサシから意外な言葉が飛んできた。
「そう言えば、ご結婚されているんですか?」
「えっ……」
 アスカは一瞬言葉に詰まる。
「どう見えますか?」
 咄嗟の判断にしては上出来な返しだ。まさか、ヒサシからそんな質問をされるなど微塵も思っていなかったアスカは、ヒサシの次の言葉にどう答えるべきか頭を悩ませていた。


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